当店の醤油づくりに関しては頑固に守りつづけた味を口伝で伝えています。
木の桶、大きな釜をはじめ昔ながらの道具を使い、まるさわの味を守り続けているのです。醸造過程において麹菌への微妙な加減が必要であり人間の感・経験が生きています。 また、百味会の催しや地方の百貨店で、当店の醤油やもろみが紹介され、一般のお客様からの需要もふえてきました。そのため近年、小ビン入りの醤油も商品化しました。やはり、ご家庭においても京都の味わい深いまるさわ醤油・もろみを使っていただければ、さらに美味しい料理がつくれるものと自負しております。
2003年に改装工事を致しましたが、その際に建物全体に住み着いてる麹菌が死んでしまう事で澤井醤油の味が変ってしまうのではと、とても心配しましたが当時の職人さんに大変お気遣い頂き、無事に改装することが出来ました。今では京都市と国から景観重要建造物に指定されていますので、これからも醤油作りと京町屋の文化を末永く残していかなければと考えております。
ご近所の若奥様から「澤井さんのお醤油で野菜の煮炊き物をして、主人に美味しい!と言ってもらえて嬉しかったんです!」とのお声をいただきました。こだわりを持って作っているのではなく、ただお客様に満足して頂けるお醤油を手間惜しみなく作っているだけなんです。
昔ながらの建物のせいか格式が高いように見られ、若い人達が入りにくそうにされているのが残念なんです。店内で使っている樽などは店内からみわたせますので、ぜひぜひ京都観光の折には、気軽にお散歩気分でお立寄り下さい。
スーパーに行くと、すでに加工されただし汁が売られているため、お醤油を使って一から味付けされる事が少なくなってきているのではないかと思います。各家庭の”おふくろの味”があるように、お醤油のわずかな分量で味は微妙に変わります。お醤油を使って一から味付けされる事がなくても、市販のおだしに少しお醤油を加えるだけで味を整えることができるんです。ぜひ一度お試し下さい。